
2012年の2月から3年間、都内の就労継続支援B型の施設に通所していました。そこで大好きな点字に関わる仕事ができたことを、今でも嬉しく思っています。
点字の本が完成した時の喜びや点字の間違いを修正していく時の緊張感は今でも忘れられません。
サポートをしてくださった施設職員やボランティアの方にも感謝しています。
中学生の頃からやりたいと思っていた仕事だったので、やりがいはあったのですが、時が経つにつれ、イメージしていた職場と違うなと感じるようになりました。
障がいの程度に合わせて、点字の仕事以外にも何か任せていただけるのではと思っていたのです。
職員との面談でもっといろいろと任せてほしいと伝えたこともありましたが、今思うと、もう少しやる気が伝わるような姿勢を見せれば良かったです。
やりがいはあるけれど、5年後、10年後を考えた時、このままで良いのだろうかと思い始め、再就職に向けて歩き出そうと決めました。
通所を決めた時、当時施設長だった方が「3年くらいで次のステップに進んでほしい」とおっしゃっていたので、ちょうど良かったのかもしれません。
当時は気が早いよと思っていたのですが、「早いうちから将来を考えなさい」と伝えたかったのかもしれませんね。
職場へは少しずつ再スタートしたい旨を広めていきました。
仕事の引継ぎがあったので、自分が働いているフロアへは1ヶ月前に伝え、他のフロアへは退所する数日前に朝礼で話し、お会いできなかった方へは手紙を書きました。
「あなたならそういう道を選ぶと思っていた」、「寂しくなりますね」、「頑張ってね」、「まだ若いのだし大丈夫よ」・・・。
温かい言葉、力強い励ましをたくさんいただき、胸が熱くなりました。
すし詰め状態の電車内に耐えられなくて、何度も涙を流したけれど、通い続けられて良かったです。
2015年10月、就労移行支援施設に移り、就職に向けて再スタートしました。
2ヶ月前から見学や体験で通っていたので、緊張はしませんでした。
企業実習で失敗したり、就職先がなかなか決まらなかったりで、落ち込みましたが、今の仕事に出会わせてくれた大切な場所なので感謝しています。
あの時、一歩を踏み出していなかったら、自分の特技を活かせる仕事に出会っていなかったでしょう。
そして、落ち込んだ時は前職でお世話になった人たちからの言葉を思い出して進んでいきたいです。